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2007年11月

素朴な旅・・・

017 田舎では、町内会に高齢者の会がありますが、こうした会に入らない方もおられます。こうした会は、高齢者同士のお付合いを楽しむことと、懇親の意味で時々交流をされるのですが、「わしは、まだ老人ではない!」といって入会を阻む方もおられますし、60歳を過ぎてもまだ元気に働かれていて、時間的都合がつかない為、そうしたお付き合いに入られない方もおられます。

先月、回覧板が回ってきて、町内の『若葉会』からのお誘いとして、一般の方も旅行をご一緒しませんか?とのお誘いのチラシが入っていました。それで、「なるほど、うちの町内は、お互いに、同席して一杯飲む機会がほとんどないから、こうした旅行でも企画すれば・・・結構、面白いかも?」と思って賛同しました。

参加費も、一泊二日にしては、かなり安いのもあって、気軽に行ってみようという気になり、紅葉も楽しめて、温泉に入り、一杯酒が飲める。これはいい!と、早くも当日を楽しみにして指折り数えていました。

そして、その旅行日となったのですが、実際参加したのは、『若葉会』が12名、肝心の一般の人は、なんと私一人であったのです。でも、旅行はあまり大勢で行くものではないとは思っていましたので、寂しいといった気持ちはなく、これぐらいでちょうどいい!と喜びました。

『若葉会』の参加者が少ない理由は、まず健康上の理由と、あとは家の都合によるものでした。そして一般者の参加が私以外に、なかったのは、推測として平日だったことだろうと思います。

013 それで、逆に、『若葉会』の方々から私の参加の理由を聞かれる始末です。その回答に対して、面倒くさいから「あのう・・・安かったからです!」と答えたら、皆さんなるほどと、納得されて笑われました。

バスの中では、旅行会社の添乗員さんが、いろんな旅先の案内をされるし、あまりにもすらすらと解説が詳しくうまいので、聞いたら元は、バスガイドをしていたとのことでした。

熊本の観光地を巡るに当たっては、意外と皆さん足が健脚でしたので、見物の時間が遅延することはなかったのですが、旅行会社のコース時間の設定にミスがあり、最後は、少し割愛しての急ぎ足見物になってしまいました。

037 見物して印象に残ったところでは、宮本武蔵が籠もって五輪の書を書いたとされる霊巌洞と、築城400年の熊本城でした。熊本城では、飯田丸五階櫓を見学しそこなったのが、心残りでした。天守閣なんぞは後で建てた近代建築ですが、飯田丸五階櫓はそのままの状態ですから、建築価値があります。

029 旅館は、内牧温泉にある阿蘇プラザホテルでしたが、部屋は和室で、ロビーや大浴場、その他施設もきれいでした。到着すると早速屋上にある露天風呂を目指しましたが、行って見ると、内湯と露天が繋がっていなくて、わざわざ通路を通ってそとまで歩かなくてはならず、風と寒さで露天に入るのを断念しました。

あとで、1階の大浴場の様子を聞いてみますと、露天もあり、サウナもあるとのことで、ただ、内湯は水蒸気で先がまったく見えないとのことでした。そこで翌日の朝風呂は大浴場に決めて、朝風呂を入りましたが、本当に内湯は霧のような水蒸気で先がまったく見えません。

これだと、混浴でも相手がまったくみえないなあ~と思った次第です。それで、ゆっくり内湯の中を移動してみますと、まったく人がいないことに気付きました。「うむ・・・わし一人の貸し切か?」と満足して、今度はすぐ前にある露天風呂に移動しました。

069 露天は、外気のお陰で見通しはききます。そしてその露天も私一人だったのです。結局大浴場は、私一人の貸切だったのです。でも何故?約400名が入っているこのホテルの大浴場に・・・何故か?タイミングとは言え、貸切状態だったとは?

その理由は、これは推測ですが朝の朝食は、バイキング料理ですから、早くに食べに行く人が多いということと、おそらく宿泊客が海外からの旅行客がたくさんいたので、朝風呂に入る習慣があまりないのでは?と思いました。

宴会では、添乗員さんの司会のもとに、皆さん上品にカラオケを歌われたり、踊られたり、そしていろんな雑談を交え楽しいひと時でした。私のお隣の長老の方は、満州からシベリアに抑留された時の話とか、軍人であったために帰国してから苦労をされた話とかをお聞きすることができました。

皆さん、時代の流れに沿って色々な経験をされ、今日に至ったことを・・・、私自身健康であれば、もうすぐこうした年齢になり、こうした立場になるのだな・・・と実感した次第です。こうしたことを読み取ることも、私の目的であったわけですが、会長に一言、「結局、若葉会の活動に参加するには、まず健康ないとだめですね・・・」と言いましたら、一瞬して、私の顔をじっと見て「ええ」とにっこり笑われました。

065 『若葉会』の会長は面白い方で、部屋割りをするとき、非常に決断が早く、「女性は話し相手が多くないと寂しいでしょうから、四人ずつの二部屋で・・・そして、男性は三人と二人で二部屋、お願いします・・・あとの組み合わせは皆さんでお決めください!」と言われ、「大藪さんは私と二人でひと部屋を取りますが、この部屋をあとで、二次会のお部屋にしたいと思いますが、如何でしょうか?」となかなか、部屋割りの決め方に根拠があって、不満がでないように考えられておられる。

会長は到着して部屋に入った時、早速一息でお茶を・・・と思ってこちらが気を利かせて入れようとしたら、なんと自前の梅酒を取り出すではありませんか!そして、「この梅酒、私が作ったのですが・・・どうぞ・・・これに焼酎を入れるとさらにおいしく頂けますよ・・・」といって私に勧めてくださいました。

なかなか元気のよい、そして気の利く会長で、65歳まで会社を勤めきって、退職してからは、悠々自適の生活で、田畑での栽培に余念がないとのこと・・・そして季節に応じて、田畑の作物に対して何をなすべきかを考えなくても、体が自然とその季節と作物に応じた動きがとるようになったとおっしゃる。所謂、自然体とはこのことを指すのでしょう。

075 自分の老後の余生を考える時、そうした自然な体の活用と流れができれば、理想だなとつくづく思った次第です。

自分はいつまでも若いと思うのは、おろかで、今回の旅において、老後の未来を考えさせられることも、しばしありました。

by  大藪光政

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