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2008年7月

夏祭りに向けて・・・区長がんばる!

001_2_2 『李卓吾』の著者、溝口雄三氏に関する書物を読み終えて、気付いたことがあります。

( 李卓吾に関する書評は後日、ブログ、『書物からの回帰』にて、発表しますのでご参考までに。)

それは後半にこのように書かれています。「中国では明初以来の里甲制という制度に行き詰まりがみえはじめました。里甲というのは、十戸を一甲、十甲を一里として編成された行政単位のことで、これは主要には徴税組織として機能するものでした。」とあり、それは、わが行政区の形態と似ていると思いました。

「甲には、甲首戸、里には里長がおかれ、甲首戸や里長はその甲や里全体の徴税の責任を負うのですが、ただしこれは毎年輪番で交代するしきたりになっており、たとえば甲首戸は十年に一回まわってくるという仕組みです。このように輪番で長になるというのは、タテマエとして一戸一戸が対等だということで、これを権力の側からいえば、全戸を同階層の民戸として掌握しているということを意味します。」

ここのところまで読めば、『甲首戸』を組長、『里長』を区長と置き換えれば、まったく制度の仕組みが同じであることに気付きます。

違うのは、徴税をしていないことぐらいですが、おっと、『共同募金』、『赤い羽根募金』、『環境美化募金』など、区の収入の三分の一ぐらいは、ほぼ義務的に定額のお金を市に運んでいますから、これもある意味で徴募金でしょう。

まあ、日本も中国のそうした組織づくりをまねているのがわかってちょっとがっかりします。そんな中国のものまね行政に関与している筆者である区長は、今、夏祭りの実行委員として、ちゃくちゃくと準備を進めています。

一番大切なのは、何をやるか?のコンテンツなのですが、例年やることは決まっていますから、その点は楽です。しかし、それでもやる気さえあれば、新しく内容も追加されますから、そこに必要なのは、物と金と人です。そして、物と金は解決できても人を集めるのは大変です。これは、企業経営と同じです。

集まりにくいのは何故か?と言いますと、「大変だから手伝いたくない・・・」と言う心理と、現世利益が誰にでも一応あるからです。(区長の私でもそうですから)それは、いってみれば、面倒だからです。でも、人間は不思議なもので、使命感とか、自分を必要としているとか、人間的付き合いで義理があるとか、周りの雰囲気に呑まれるとかいったことで、ついつい積極的になってくれることがあります。

ですから、区長は全体としてのムードづくりと、根回し、そして日頃の人間関係の構築が欠かせないのです。

毎年、夏祭りになると、他の区長から、「お宅の区は・・・協力者が少ないですね。」と、云われそうな雰囲気で迎えるのですが・・・。毎年当番で成られた我が歴代区長さんは、「うちの区は、他の区に比べて、世帯数が三分の一だから、世帯数割りで行けば、同じではないか!むしろ多いいくらいじゃ!もっと減らさせてもらってもいいくらいじゃ!」と怒っていました。

それで、私が区長の番になって・・・今年の夏祭りがやってきたのです。前の区長さんからも、「世帯数割で、夏祭りの人員を出すように交渉しなされ、他の区の連中は、世帯数が多いくせに、不公平な要求をするから・・・」と、アドバイスしてくれました。

しかし、そのアドバイスを生かすためにも、逆に私の作戦は、逆に他の区が驚くような、協力者数を申し出ようと考えたのです。それによって、他の区長と他の住民に対して強いインパクトを与えてやることにしました。つまり、やるなら徹底的にやる!その夏祭りを我が区が乗っ取るということです。

幸いにも、我が区の住民の皆さんは、私の執筆している区長新聞を読んで、区長とのコミュニケーションがうまく行っているので、積極的にご参加を頂きました。

『ペンは、剣よりも強し!』とよく言いますが、私の場合、『ペンは身を助ける!』ですね。

成果は、申すまでもなく、他の区以上のメンバーを集めることが出来、世帯数の比率で云えば、ちょうど三倍以上もこちらが多いのです。ですから、夏祭りを我が区がハイジャックしたようなものです。

そこで、次に考えたのが、終わったあと、そのままでは面白くない。つまり、バタバタしただけで、コミュニケーションが無い。という問題です。

それで、夏祭りの翌日の夜に、慰労も兼ねて、反省会を行うことにしました。これは大切なことだと思います。夏祭りの当日は、実行委員や協力者は、運営に終始していて、そういった実行委員や協力者同士とのコミュニケーションがありませんから、それで解散しては住民の絆とはならないからです。

だから、ノミニニケーションをやりましょう!という呼び掛けもしました。これには、組長さん全員賛成してくれました。

後日、各区の実行委員が集まった会議で、「昨年の良かった点、悪かった点の問題が、ちっとも整理されていないので、反省会を持つべきではないのか?」といつた意見が出されたので、「うちの区は、今年はそうした企画をしています。もちろん、反省だけでなく、皆さんとの絆を持つために開きます。」と、云ったので、他区の区長は、唖然として!渋い顔。(くそ~!)

わが区に先を越された感があったと思います。今まで、肩身の狭い想いをされた我が区の歴代区長さんのかたきをとった気分でした。(しかし、後で他の区の区長さんには、ちゃんとご理解して頂くようにお話しました。敵を作ってはいけません!)

こんな風に、何事も真剣且つ、一生懸命にやっていますと、だんだん仕事が増えてきます。だから、来年の区長さんの成り手が益々なくなるという現象に成りますか?

私の場合、『住民』という不特定な人間に対して如何に、己の気持ちを反映させきるか?言い換えれば、相手住民の気持ちになりきるかという我流の『行動哲学』を試すことになるので、とても貴重な経験だと思いますが・・・後継の方には迷惑なことかもしれません。

by  大藪光政

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